3.地理(山・川・海・滝)

「冬らしさ」の季語:
   (冬山河/ふゆさんが fuyu sanga、冬の色 fuyu no iro、冬景色 fuyu gesiki、冬の水 fuyuno mizu)
        【参考:青山河  ao sanga(夏)】
 

     冬の水一枝(いっし)の影も欺(あざむ)かず     中村草田男
     冬の浅間は胸を張れよと父のごと     加藤楸邨
     胸痛きまで雪嶺に近く来ぬ     藤田湘子

   (枯野/かれの kare no、枯野原 kare no hara、、冬野 fuyu no)
 

     旅に病んで夢は枯野をかけ廻る     松尾芭蕉
     暮まだきほその輝く枯野かな     与謝蕪村
     ざぶりざぶりざぶり雨降る枯野かな   小林一茶
     火遊びの我れ一人ゐしは枯野かな     大須賀乙字
     遠山に日の当りたる枯野かな     高浜虚子
     一句二句三句四句五句枯野の句     久保田万太郎
     鳥総松(とぶさまつ)枯野の犬が来てねむる     水原秋桜子
     大枯野日本の夜は真暗闇     山口誓子
     土間口に夕枯野見ゆ桃色     金子兜太
     椋鳥の食や枯野も何のその    稲森如風

   (山眠る/やまねむる yama nemuru):眠る山 nemuru yama)
        【参考:山笑う yama warau(春)】

   (冬の海/ふゆのうみ fuyunoumi、冬潮 fuyu shio)

     ふゆしほの音の昨日をわすれよと     久保田万太郎

 

   (水涸る/みずかる mizu karu):川涸る kawa karu、 沼涸る numa karu、
    涸れ池 kare ike、涸れ滝 kare taki、涸れ川 kare gawa、渇水期 kassuiki)
      冬、川や沼の水が涸れること

   (水烟る/みずけむる mizu kemuru)
      厳冬期、外気より暖かい水から水蒸気が立ち上ること

   (狐火/きつねび kitsune bi):鬼火 oni bi、狐の提灯kitsune no chouchin)
        【参考:狐(冬)】
 
   (白い峰/しろいみね shiroimine)【如風】
 

     郡鳥のかなたに白し富士の峰    稲森如風
     白き富士背にして通勤ラッシュかな    稲森如風
     白き峰わずかながらも富士は富士    稲森如風